雨樋(あまどい)は普段あまり意識されませんが、実は家を長持ちさせるためにとても重要な役割を果たしています。今回はこの”雨樋工事”についてチェックポイントをまとめます。
【はじめに】雨樋の主な役割とは?
雨樋は、屋根に降った雨を集め、縦樋(たてどい)を通じて地面や排水口へ流したり、屋根の上から直接雨水が落ちないようにすることで、建物周囲の泥はねや水たまりを防ぐ役割があります。
雨樋が無い、もしくは排水がうまくいかないと、建物だけでなく以下のようなことが懸念されます。
■外壁の劣化:雨樋が割れたり外れたりすると、雨水が外壁をつたい、シミ・カビ・コケの原因になります。
■基礎や土台の劣化:基礎部分に水が集中すると、基礎コンクリートのひび割れや凍害・湿気による劣化の原因になります。延いてはシロアリの被害につながるケースもあります。
■庭や駐車場のぬかるみ・水たまり:排水がうまくいかないことで、泥はねや地盤沈下の原因になることがあります。
■騒音・近隣トラブル:雨樋が外れたり割れたりすると、雨水が地面に直接落ちるケースがあります。その音や雨水や泥の飛び散りが原因でご近所トラブル、なんてことも意外に多いのです。
ウチは大丈夫?雨樋メンテナンスのポイント
雨樋が無いと、軒先から直接雨水が落ちてくることになります。雨の音や跳ね返りによるストレスもあるでしょう。このいわゆる「雨だれ」はことわざにもあるように少しずつ、確実に住環境を悪化させていきます。
1.定期的に点検する
- 割れたり・欠けたりしていないか
- 接合部がズレていたり、外れたりしていないか
- 金具が緩んでいたり、サビていないか
- 大きく歪んでいたり、たわんでいないか
まずは目視でチェックできる箇所を確認しましょう。台風や大雨の後などは特に注意が必要です。
2.掃除と雨水の流れをチェック(年1~2回)
落ち葉や泥の詰まりを掃除したら、ホースなどで水を流し溢れたりしないかをチェックしましょう。スムーズに排水されない場合は、詰まりや勾配不良の可能性があります。
3.部材の耐用年数を確認
雨樋などに使われている部材は、塩ビ製(プラスチック)もしくは金属製(ガルバリウムなど)が一般的でしょう。金属製は20年以上持つと言われていますが、塩ビ製のものは10年で劣化が顕著なケースもあります。お住いの地域環境を鑑み、部材の寿命を意識しておくことが大事と言えます。
雨樋(あまどい)の大切さ。【まとめ】
普段あまり意識しませんが、雨樋は建物の保護に必要不可欠な存在といえます。トラブルになる前に定期的にチェックしてあげましょう。自己診断だけでは不安な場合は業者に点検してもらうのもよいでしょう。危険を伴う高所のチェックや、簡単な補修でOKな場合、補修より交換が良い場合など、あなたの住まいに合ったアドバイスをしてくれるはずです。